ESEC2009 アンケート結果

ESEC2009 専門セミナーのアンケート結果が主催者であるリードジャパン社から送られてきたのでその内容を報告したい。

タイトル:Linuxを使用した組込みシステム構築
受講者数:73名、全体満足度:82%(大変役に立った、役に立ったと回答した比率)、アンケート回収率:95%

アンケート結果の内訳を昨年度と比べると次のとおり。

開催年度 受講者数 大変よかった 役に立った 普通 改善が必要
ESEC2008 100人 28% 53% 13% 6%
ESED2009 73人 30% 52% 14% 4%

参加者は昨年が100名だったので3割ほど減少している。座九年のこれはこの経済状況のため有償での参加者全体が減っている、あるいは、内容的に話題性がなくなってきているといったところであろう。同様のセッションを既に5年以上に渡りESECで講演しているので新規性といった意味ではたしかに少ないのかもしれない。

他の専門セミナーでは、品質改善、テスト技法、プロジェクトマネージメントなどテーマの講演が非常に高い集客人数を上げている。この傾向は、昨年と同様である。

では、アンケートに寄せられたコメントの内容を少し考察してみる。

「大変役に立った」・「役に立った」と評価した理由

  • Linuxの組込みの幅広い話が聞けたので。
  • デバック手法や製品組込みについてのノウハウを知ることができた為。
  • 色々な情報を収集できた。
  • 全体像をイメージでき、パーツ同士をつなげて考えることが出来た。
  • Linuxの全体像が理解できた。
  • 基本の振り返りをすることができた。
  • テストツールの具体的な紹介など非常に役に立った。
  • スケジューラ/メモリモデル等。
  • Linuxならでは、組込みならではの考慮すべき点をざっと把握することが出来た。
  • 基本的なことがわかったので。
  • Linuxの勉強をはじめたばかりだったので。
  • 具体的な内容が多かった。
  • 話が非常に整理されている。
  • これからはじめるに当たって全体の姿が理解できてよかった。
  • Linuxカーネル・BSPアプリケーション開発に対して全般的に広く説明されている。
  • イメージは理解できた。
  • 全くLinuxを知らない私でも理解できた。

「非常に役に立った」・「役に立った」と評価した受講者のコメントは、非常にわかりやすいとか全体像が理解できたという内容が殆どであり、これからLinuxを使用して組み込みシステム構築を検討している開発者向けの講演内容としては、成功しているのではないかと思う。

「普通」・「改善する必要があった」と評価した理由

  • 期待していた内容より一般的な話だった。
  • 質問時間をもっと長く取って欲しい。
  • MV製品についての話がほとんど無かったため。
  • 内容が浅い。詳しい話が聞きたかった。

それぞれのコメントについて考察してみたい。
「期待していた内容より一般的な話だった」「内容が浅い。詳しい話が聞きたかった」とのコメントは、こちらが想定した”これからLinuxを使用して組み込みシステム構築を検討している開発者向けの講演”というのと期待されていたレベルが異なっていたのだと考えられる。確かに、幅広い内容を3時間枠につめこんでいるので、一般的で内容が薄くなってしまう点は否めない。この点については、次回の講演のアジェンダで想定している対象者のレベルをもう少し明確にしたほうがよかったのかもしれない。
「質問時間をもっと長く取って欲しい」確かに、今回の講演では、質問時間が2〜3分程度しか取れなかったため、十分に受講者の皆さんの疑問に答えることができなかった。これについては、今後気をつけたい。
「MV製品についての話がほとんど無かったため」ESEC専門セミナーでは、企業や製品の宣伝となる内容を含めてはいけないという制約がある。また、事前に講演資料について主催者側の査読が行われ、企業の宣伝に当たる内容が含まれている場合、資料の内容を変更するように注意される。そのため、自社製品に関する内容に極力触れないように講演内容も注意をはらっているため、この期待には応えることができない。MV製品については個別に対応させていただくしかないのが現状である。

昨年のESECアンケードでは、後半が駆け足過ぎ、資料がわかりにくい、誤字が多いといった指摘を頂いたが、この点については改ざんが出来たのかなと自己評価している。

何はともあれ、多くの受講者に参加していただき非常に感謝しています。この場を借りて、受講者の皆様にお礼を申し上げます。