TPS (Toyota Production System)

skiuchi2009-11-10


大学院主催のトヨタ工場視察という、いわば大人の社会科見学みたいなものに参加した。(写真は産業技術記念館

10時に名古屋駅集合で、まずは「トヨタテクノミュージアム 産業技術記念館 (http://www.tcmit.org/)」を見学した。ここは、数々の自動紡績機が動態展示されている繊維機械館と自動車館に分かれている。
繊維機械館では、トヨタの創設者である豊田佐吉が生み出した数々の発明を動態展示でみることができる。基本的にトヨタは金がないと言うのがカイゼンを創出したベースにあると今回同行していただいたコンサルタントの方から伺った。もともと紡績機は人力だけで動かしていた機械だが、生産性をあげるために片手だけで織れるように横糸を自動的の送る機構を発明した。さらに生産性を上げるために蒸気機関を利用した。自動化しても糸の交換や糸切れの検出は人が行っていたため、次々に検出する仕組みを発明していった(カイゼン)。トヨタの不良品を後工程に回さないという思想がここから生まれてきている。
トヨタでは、「働くということは、不良品を造らないことであり、自働停止装置が付いている ことが自働化(自動ではない)である。」としている。この自働化は、現在の自動車生産ラインにも受け継がれており、生産ラインにロープがありロープを引っ張るとラインが停止するようになっている。これにより、不良品を後工程に回さないという考えが踏襲されている。
自動車館では、古い年代から自動車製造のための機械が展示されている。実際に現在の工業用ロボットによる生産設備の一部も動態展示されており、これは自分の息子くんに是非見せてあげたいと感じた。この自動車館では、TPSがどのように生まれてきたかをわかりやすく解説したパネルがあり、非常に興味深い。

午後からは、トヨタ自動車の堤工場(http://www.toyota.co.jp/jp/about_toyota/facility/toyota_kaikan/plant_tour/に向かい、溶接工場と組み立て工場を見学することができた。
溶接工場では、数十のロボットアームが火花を散らしながらプリウスが作られていくのを目の当たりに見る事が出来た。頭上には車のシャーシが運ばれており、足下では火花をしらして次々と溶接されていく。自動車生産ラインは今までTVなどでしか見た事が無かったが、これは凄い迫力で感動を覚えた。アンドン、かんばんも実際のラインで使われている様子も見る事ができた。

TPSといえば、JIT(Just In Time)、かんばん、アンドンと行った言葉が浮かぶが、どのようにしてこれらが生まれて、どのように生産ラインでつかわれているのかということを初めて認識し実感する事ができた。

トヨタ工場は、一度は見学しておく価値がある。名古屋方面に行く事があれば是非にお勧めする。