Joel on Software
ソフトウエア開発に携わる全ての人たちに読んでもらいたい。楽しい本だった。
Microsoft社や大手ISPのJunoにおいて、ソフトウエアの開発を行ってきたJoel Spolsky氏の人気Blog(http://www.joelonsoftware.com/)に書かれた45のエッセイをまとめたものだ。
プログラミングやプロジェクトマネージメント、そしてIT業界に対する考察などユーモアにとんだ文章で書かれている。もちろんUSでのソフトウエア開発にまつわる内容なので、日本でのソフトウエア開発にそのまま当てはまらない内容も多い。改めて色々見直す基点とはなりそうだ。
- 作者: Joel Spolsky,青木靖
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2005/12/01
- メディア: 単行本
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どのエッセイも味があって面白いが、自分が気に入ったエッセイを幾つかピックアップしてみる。自分の興味は少しマネージメント寄りの視点のエッセイが気に入った。
第3章 ジョエルテスト:いいプログラムへの12ステップ
ソフトウエア開発チームのQualityを図るためのテストだそうだ。確かに1つのソフトウエア開発プロセスが成熟しているかの目安になるかな。
ジョエルテスト
第7章 やさしい機能仕様書 パート4:ヒント
一般にソフトウエアエンジニアの各ドキュメントは分りづらい場合が多い。だからエンジニアの皆が少しは参考になるとこもあると思う。面白い文章だよ。
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- 可笑しくすること
- 仕様書を書くのは頭が実行するコードを書くようなもの
- できる限り分りやすく書く
- 何度も見直し、読み返す
- テンプレートは有害である
第31章 下っ端でも何かをなしてげる方法
ボトムアップでじわじわと改善していく(使えない奴をたたき出す)方法が書かれている。
第33章 ビックマック 対 裸のシェフ
裸のシェフ(有名シェフ)が始めた評判の良いレストランを大規模に展開するうちに、つまらない普通のレストランになってしまうという例をITコンサルティングに当てはめて述べられてる。
つまり、才能が高いコンサルタントが会社を始めて、自分のコピーは作れないから、誰でもできるようなルールをつくって才能がない者にもある程度作れるようにしてあげる。結果として品質がとても低くなる。